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学歴偏重主義からの脱却
さて、この就職難、就職氷河期といわれる時代において、なんとか自分の希望する職業に就職し、食い扶持を得ていきたいと考えるならば、私たちは私たちと同じく不景気に苦しんでいる企業が、どんな人材を欲しているのか、ということをしっかりと把握しておかなければならないでしょう。既に説明したように、今の日本はかつての日本のように、大量に雇用して社員教育をし、終身雇用を続けていけるほど裕福な企業はほとんど存在していないため、最初から「教育しがいのある」人材を求めるというのは当然の流れです。これまでの日本においては、それぞれの企業がある程度裕福であったために、教育に対して注ぎ込める資金や期間などが長かったために、かなりの割合に於いてその人材の選定を学歴に頼って判断している向きがありました。学歴偏重主義とも揶揄された日本の就職事情は、この不景気の中である意味では「進化」を遂げ、学歴偏重主義から能力主義へと変化しつつあります。つまりは、今までのように良い高校からいい大学を卒業し、学歴という武器さえ持っていれば大手企業に就職できるというような状況ではなく、あくまでも社会の中でやっていくために必要な能力が求められるようになったため、いわゆる「エリート」層のような、非常に高い学力と学歴を持っているような人達こそ、今その就職は非常に辛いものとなっているようです。なにせ、今までは例えば東京大学卒業というネームバリューさえあれば、大抵の大手企業には就職できたものが、突然瓦解してしまっているためです。これは即ち同時に、日本の大学進学率の高さを裏切った進化でもありました。以前、学歴偏重主義であったがために、日本の多くの子供達はそのほとんどが高い学歴を得るために高等学校へと進学し、さらには大学までも進む場合がほとんどです。そもそも、義務付けられた教育というのは中学校までで、高等学校からは自由教育だというのに、95%以上の生徒が高等学校へ進むというのは、少しく異常な状況であるというのは推して知るべしでしょう。そのような流れが、ここ最近では批判され、大学全入時代(大学の求人数が学生の数を上回ったため、高望みさえしなければ必ず大学に入ることが出来る)という状態について、非常に懸念する声がありました。それというのも、ただただ高い学歴を求めて高等学校・大学の過程を過ごすがために、肝心の知識や能力がほとんど育たないまま、無為に年齢ばかりを重ねてしまう学生がかなり多いためです。そもそも古くにおいては、高等学校や大学への進学率というのはそれほど高くはありませんでした。もちろん実家の経済状況によって大きく左右されるのですが、昭和期に於いては中学卒業の時点で出稼ぎに出る人も少なくありませんでしたし、女性であればかの赤とんぼにも登場するように「15で嫁に」行くというようなことだって別段特殊ではなかったのです。それが現在に至るような学歴偏重主義へと変わってきたのは、高度経済成長期以降です。日本の経済は、産業の急激な発展によって高度経済成長を迎え、発展途上国から一気に先進国の中でもトップクラスにまで駆け上がりました。そのため、その状況の変化に対応しきれずに歪みを抱えたままの就職環境が定着してしまったということが出来るでしょう。そこで、学歴偏重主義から抜け出しつつあるこの日本に於いて、今までとは違った「求められる人材」「企業の求める人材」というのが果たしてどういった条件であり、私たちは一体どのような勉強をして就職に望めばいいのか、それについてより詳しく見ていきたいと思います。
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